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事件報告(それは淀屋橋で起こった!)
“旧泰然とした不動産業界に風穴を開けたい!”
それが今日のプレゼンのテーマだった。
マーケティングから発する戦略的な広報活動を実施し、家電や家具メーカーなどとアライアンスしながら、ユーザーに生活を提案していく企業になって頂きたい。そして、不動産業界に新たな風を注ぎ込み、神話を作りたい!
という少し大風呂敷を広げすきかな、という程大掛かりな話しではあったが、そんな私たちの意見にクライアントは大きく共感してくれ、提案通りの受注の確約までとれた。大成功だ。
私たちが意気揚々と帰路を急ぐ中、ふと目をやると突然あるモノが私たちの足を立ち止まらせた。
大都心大阪のど真ん中の往来で、地べたにモノを並べて、露天商のごとくモノを売っているのである。そして、
私たちを驚かせたのは、その売り文句である。コピー用紙に汚い字でこう書き殴ってあったのだ。
「つぶれた会社の不要品!鞄一つ3,000円!」
なんたることだ!いくら世の中不景気だと言ってもこんなことがまかり通っていいのか!
つぶれた会社ならつぶれた会社らしく、日陰でこっそりではないのか?
つぶれた会社の不要品を、堂々と売っているあなたは一体どこの誰なのか。
つぶれた会社の不要品などという縁起の悪いもんを一体誰が買うと言うのだ。
さては、使えるもんは親でも使え根性だな。これが世に聞こえる商魂たくましい、なにわの商売方法なんだな。
とりわけオシャレな街、神戸で育った私は、正直カルチャーショックを受けた。
そして、さらに私を驚かせたのは、今日あれだけ大きな話しをしてクライアントを唸らせたR社のM氏が、私が仰天しているのを尻目に、その地べたに置いてある鞄を物色し始めたのだ。
3,000円は確かに安いが。しかし・・・・・。
同じくその鞄を物色するいかにも大阪のオバチャンにM氏は、
「ちゃんとまけてもらいや!ガハハハハ」といわれながら背中を思い切りどつかれていた。どつかれたM氏の背中の動きに合わせて、私の目は飛びでそうになった。なんという街だ。大阪というところは。
もちろんM氏はその鞄を買った。かなり嬉しそうだった。
これが大阪か・・・・・・。という感慨に浸ると同時に、私は自分の鞄をあわてて隠した。なぜなら私の鞄は、今M氏が嬉しそうに購入した、
“縁起の悪いつぶれた会社の不要品鞄”が20個は買えるほどの値段だったからだ。安い買い物をして誇らしげなM氏をみすぼらしい気持ちにさせてはいけない。そういう私のいたわりの気持ちが、思わず鞄を隠してしまうという行動に現れたのだった。
(2002.9.19吉日)
次回ミッチー事件簿に続く・・・。
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