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June 14, 2014

[2014:006]伝説の名参謀 秋山真之/神川武利

オススメ度 : ★★★★

秋山真之の生涯が、日露戦争の日本海海戦をクライマックスとして描かれている。この本を「坂の上の雲」と比較して云々言ってはいけない。そもそも分量が違う。こちらは「坂の上の雲」の入門編というか、「坂の上の雲」の秋山真之のエッセンスを知るという位置付けで捉えれば、とても読みやすい良書だ。それにして、この戦に敗れれば、日本という国が滅びるかもしれない。という重圧の中で強国ロシアに挑む心意気を想うと、なんとも表現し難い日本人としての熱いものがこみあげてくる。特に、これから国の存亡を掛けた闘いに出て行くという想いで、多くの日本人の期待を胸に港を出航して行く様子を思い浮かべると武者震いが止まらない。こういった方々のお陰で今があり、この日本があるということを、サヨクの人たちは「戦争はダメ!」と短絡的に言ってしまうのかいくら考えても分からない。最近の集団的自衛権の解釈問題にしても、「この国を守る」という意識が欠落した意見を聞くたび本当にうんざりする。

skmt | 12:56 | book | Comments(0) | トラックバック(0)

May 10, 2014

[2014:005]日本海軍に捧ぐ/阿川弘之

オススメ度 : ★★★

旧帝国海軍をテーマにした小説、エッセイなど18本を収めた作品集。中でも「広瀬武夫余話」を読み、この間の多数の犠牲者を出した韓国船沈没から逃げだした船長に、戻らない杉野上等兵を助けるため一人沈み行く福井丸に戻り、船内を3度も捜索し戦死した広瀬武夫の爪の垢を煎じて飲ましたいものだと強く思った(何ならキムチを混ぜても良し)。あと、最後にある、特攻隊として出撃する若者の家族への想いは感涙を呼ぶ。しかし、壮絶を極めたアリューシャン列島アッツ島・キスカ島での奮闘ぶりにはただただ頭が下がる。

skmt | 12:38 | book | Comments(0) | トラックバック(0)

May 10, 2014

[2014:004]職業欄はエスパー/森達也

オススメ度 : ★★★

幼い頃になんとなく見た記憶があるスプーン曲げの清田益章氏、そしてTVタックルで早大の大槻教授といつも激論しているイメージがある秋山眞人、この本を読んで初めて知ったダウジングの堤裕司の三人を追いかけるドキュメンタリー。前に読んだ「オカルト」の書評でも書いたが、立花隆の「臨死体験」的な、超能力を「信じている訳ではないが」「信じていない訳でもない」という中立な立場で三人を見る視点が特徴だ。そして「超能力を信じるつもりはないけれど、人間としてみた場合、超能力者が嘘をついているとも言いがたいし、懐疑派の連中は人間として信用するまでには至らない」という最終的に辿り着く、葛藤を抱えたままの想いが共感できる。

skmt | 12:19 | book | Comments(0) | トラックバック(0)

May 04, 2014

[2014:002-3]にぎやかな天地(上・下)/宮本輝

オススメ度 : ★★★★

やはり何より「流転の海」シリーズが好きで、これを最初から読み返してみたいと思いながら、というかここ数年は、「流転の海」シリーズ以外の作品を殆ど読んでおらず(川三部作以来かな)、たまには新しいのを読もうと買っておいたのを思い出し、本棚の奥から取り出して読んだ。織り重なる人間模様、そこに生じる様々な機微、生と死に対する深い観察など、宮本輝ワールドがあますことなく展開されている。また、日本の食文化の華である発酵食品というテーマも非常に興味をそそられた。さすが宮本輝だ。改めて、氏の作品を見てみると、まだ半分も読めていない。まだまだ楽しめる。だが、これでまた「流転の海」シリーズを読み返すのが先になりそうだ・・・。

skmt | 13:04 | book | Comments(0) | トラックバック(0)

April 03, 2014

[2014:001]オカルト/森達也

オススメ度 : ★★★★

ラジオの深夜番組「東京ポッド許可局」で紹介されていたことで興味を持ち購入。「東京ポッド許可局」とは、マキタスポーツ、プチ鹿島、サンキュータツオが、ポッドキャスト番組の自主制作として始めた番組が人気を博し、TBSラジオにてレギュラー昇格したもの。これが蘊蓄があっておもしろく、最近ずっと聴き込んでいる。1998年に、エスパーを職業とする者たちの日常をとらえたTVドキュメンタリー作品を制作し、その様子を綴った「職業欄はエスパー」の続編とも言える著作らしいのだが、とても興味深く読めた。読んでいて思い出したのが、立花隆の「臨死体験」だった。両書に共通するのが、超能力や死後の世界を、肯定も否定しないというスタンス。その偏らないナチュラルな視点がゆえに、怪しさは微塵もない。森達也を今作で初めて知ったが、その他の著作を読んでみたい。

skmt | 13:08 | book | Comments(0) | トラックバック(0)

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