book
October 24, 2016
[2016:008-009]骸骨ビルの庭(上・下)/宮本輝
オススメ度 : ★★★★
「三十光年の星たち」で久しぶりに読んだ宮本輝がやはりおもしろく、考えてみれば、まだまだ読んでない本が宮本輝にはあった!と嬉々として読み始めたのがこの本。熊吾たち(流転の海)が十三に住んでいる頃のような雰囲気の本だった。親から棄てられた子どもたちを育てた阿部轍正の生き様というか、覚悟に感動を覚える名書だ。
skmt | 16:01 | book | Comments(0) | トラックバック(0)
October 24, 2016
[2016:007]教団X/中村文則
オススメ度 : ★★★
なんでも爆発的に売れているという。その手の流行の本はあまり読まないのだが、タイトルに惹かれて、分厚いハードカバーに難儀しながら読んだ。ストーリーは予想を反して、自分的には興味をそそるものではなかったが、その教団の教祖が信者たちに話す内容にはかなり興味をそそられた。特に量子物理学から見た世界や宇宙の話はそこだけ書き写したいほど(昔から素晴らしい描写や内容の時は書き写す癖がある)だった。しかし、全体的にはストーリー展開というか人物相関が分かりにくく、読後感がよろしくなかった。
skmt | 16:00 | book | Comments(0) | トラックバック(0)
October 24, 2016
[2016:006]悪名の棺 笹川良一伝/工藤美代子
オススメ度 : ★★★★
許永中を読んだ流れで、その悪名高い笹川良一を詳しく知ってみたいと思い手にした。我々世代で言えば「人類みな兄弟!」というフレーズと共に、船舶振興会という怪しい団体の偉いお爺さんというのが共通するイメージで、キレイなことを言って自分だけ金をせしめる守銭奴というのが大方の笹川良一像だと思う。しかし、どうだろう。読んで見て、これほどイメージが変わった人はいないのではないというほど違った。中でも、彼の巣鴨プリズンでの奮闘ぶりはどうだろう。まさに国を愛し、天皇主体のこの国のために、我が身を捧げた真の愛国者だ。それが何故あんなイメージになったのだろう。戦後の左翼マスコミの傲慢な偏見によるものとしか思えない。もっと彼を讃えるべきだ。
skmt | 16:00 | book | Comments(0) | トラックバック(0)
October 24, 2016
[2016:004-005]三十光年の星たち(上・下)/宮本輝
オススメ度 : ★★★★
「流転の海」を読み返そう読み返そうと思いながら果たせず、まだ読んでいない本を読んでみようと思い手にした久しぶりの宮本輝。やはりおもしろい。うだつのあがらない主人公が、奇妙な金貸しに会って、借金の肩代わりに金貸しの運転手を務めてて、あちこち出向いていくようになり、人生が思いもよらぬ方向へ行ってしまう。先が読めないストーリー展開もさることながら、ところどころに出てくる本質をついた言葉が心に刺さる。さすが宮本輝だ。
skmt | 15:58 | book | Comments(0) | トラックバック(0)
October 24, 2016
[2016:002-003]逃亡(上・下)/帚木蓬生
オススメ度 : ★★★★
香港で諜報活動に従事していた憲兵が、終戦の後、命からがらの帰国。その後、戦犯の汚名を着せられ日本各地を転々とした結果、見つかってしまい、お国のために働いて結果が・・・・。驚くほど詳細で克明な描写。この著者の体験記かと思うほどのリアリティだ。国としての、戦争へ至る経緯や世界情勢などをいくら理解しようが、個人の熾烈な体験を知ると、何とも居たたまれなくなり、戦中・戦後を行きた人達に想いを馳せると、筆舌に尽くしがたい感情が湧き起こる。いずれにせよ、読み応えのある小説だ。
skmt | 15:57 | book | Comments(0) | トラックバック(0)
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